BIM積算:Revit・IFCから数量を拾う方法

RevitモデルやIFCファイルを受け取り、10日後には見積を提出しなければならない。理論上は、必要な数量はすべてモデルの中にあります。しかし実際には、信頼できるBIM積算は今も頭の痛い作業です。不完全な集計表、正しくモデリングされていないオブジェクト、一行ずつ手直しが必要なExcel出力……。

本ガイドでは、RevitやIFCモデルから数量を拾い出す方法、役割に応じた手法の選び方、そして予算を狂わせるミスの防ぎ方を解説します。

積算担当者、BIMマネージャー、設計事務所・エンジニアリング会社、ゼネコンの方を対象としています。

全部読む時間がない方へ。

Kabandyなら、RevitやIFCモデルを数クリックでビジュアルな積算に変えられます。

BIM積算とは?

BIM積算(BIM数量算出)とは、面積・体積・長さ・個数といったプロジェクトの数量を、2D図面上で手作業で拾うのではなく、デジタルモデルから直接算出することです。英語では quantity takeoff(QTO)と呼ばれます。

これは 5D BIM(3Dモデルに数量とコストを加えたもの)の土台となります。算出した数量は、内訳書、概算、見積、そして現場の予算管理に使われます。

 

Japan BIM

 

 

つまりBIM積算は積算担当者の仕事をなくすのではなく、その中身を変えるものです。

測る作業は減り、その分モデルの品質チェックが増えます。

 

 

モデルから数量を拾う 3つの方法

 

1. Revitの集計表

Revitの集計表(またはマテリアル集計表)は、あるカテゴリのオブジェクトを長さ・面積・体積・タイプなどのパラメータとともに一覧にします。それをテキストファイルとして書き出し、Excelで加工します。

  • メリット: Revitがあれば無料。ドアや窓など単純なカテゴリなら素早く出せます。
  • デメリット: カテゴリごとに集計表が必要。ファミリごとにパラメータがばらつき、目で確認できず、新しい版が出るたびに書き出し直しです。またRevitを使いこなす必要がありますが、多くの積算担当者にとってはハードルです。

 

2. IFCからExcelへの書き出し

IFCはBIMのオープン標準(openBIM)です。IFCファイルには、書き出し時にオプションを有効にしていれば「基本数量」(Qto_ プロパティセット。例:壁の Qto_WallBaseQuantities)を含められます。IFCビューアーでそれを読み取り、表計算ソフトに書き出せます。

  • メリット: 作成元のソフト(Revit、ArchiCAD、Tekla、Allplanなど)に依存しないため、他社からモデルを受け取る場合に最適です。
  • デメリット: 数量が書き出されていないこともあり、プロパティは作成者ごとに異なります。得られる表は生データのままなので、集約・整理し、各行を内訳書の項目に対応づける必要があります。

 

3. BIM積算専用ソフト

BIM積算ソフトはモデル(RevitまたはIFC)を直接読み込み、オブジェクトを3Dで表示して、各数量を内訳書の項目に紐づけます。モデルが変われば、積算も更新されます。

  • メリット: すべての数量を目で確認でき、積算ルールを次のプロジェクトでも再利用できます。Revitの専門家でなくても使えます。
  • デメリット: サブスクリプション費用と、慣れるまでの時間がかかります。

これが Kabandy のアプローチです。Revitファイルを変換なしで、またIFCモデルも開くことができ、モデルと内訳書を動的に連携させ、AIにより自然言語でモデルに問い合わせることもできます。

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BIM積算を狂わせる 5つのミス

 

  1. 同じ部材を2回数える。 二重にモデリングされた壁や、意匠モデルと構造モデルの両方に入っているスラブは、表の上では誰も気づかないまま数量を膨らませます。
  2. 間違ったオブジェクトを使う。 壁として描かれた梁や、「汎用モデル」で作られた手すりなど。部材は存在していても、別のカテゴリに入ったり、積算から漏れたりします。
  3. 積算ルールを無視する。 モデルが示すのは形状そのものです。一方、内訳書には開口部の控除基準、芯で測るか内法で測るか、壁とスラブの取り合いなどのルールがあります。これを適用しなければ、請求する数量と一致しません。
  4. 空欄や誤ったパラメータを信じる。 材料の未入力、コンクリート強度の未記載、レベルの割り当てミスがあると、集計が使い物になりません。
  5. 版を追跡しない。 設計者からC版が届いているのに、積算はまだB版のまま。版を比較しなければ、差異は現場に入るまで気づかれません。

これらのミスに共通するのは、数字の表では見えないのに、3Dでオブジェクトを見れば一目瞭然だという点です。

だからこそ、すべての数量をクリックしてモデル上で確認できるビジュアル積算が有効なのです。

信頼できる積算のためのモデル準備

良いBIM積算は、数量を拾う前から始まっています。差を生むポイントは3つです。

 

共通の分類体系

各オブジェクトは内訳書の項目に紐づけられなければなりません。そのために、NL-SfB、Uniformat、Omniclass、あるいは自社の内訳体系などの分類コードを付与します。コードがなければ、オブジェクトを手作業で仕分けすることになります。Kabandyを含む一部のツールは、独自のコードをモデルに自動で付与できます。

 

IDSで要件を書き出す

IDS(Information Delivery Specification)はbuildingSMARTの標準で、モデルに求められる情報(「すべての壁に材料を設定する」「すべてのスラブにコンクリート強度を記載する」など)を、ソフトウェアが読めるファイルで記述します。積算を始める前に、受け取ったモデルが要件を満たしているか自動でチェックできます。

 

積算前の品質チェック

数量を拾う前に、最低限次の項目を確認しましょう。

  • 重複したオブジェクト、重なったオブジェクト
  • カテゴリのないオブジェクト、「汎用モデル」のオブジェクト
  • 空欄のパラメータ(材料、レベル、タイプ)
  • モデルの版と受領日

 

見つかった問題は、BIMモデルに関する指摘をやり取りする標準形式 BCF で、モデル作成者に返すことができます。

 

モデルが不完全な場合は? 実際にはそれが最もよくあるケースです。完璧なモデルを待つのではなく、ビジュアル積算ツールを使えば、モデルが不十分な箇所の数量を修正・補完しながら、すべての数字の根拠を残せます。

ステップごとに解説:モデルから積算まで

RevitやIFCモデルから使える積算を作るために、私たちがおすすめする手順です。

 

  1. 正しい版を入手する。 版、日付、作成元のソフトを記録します。IFCファイルならバージョン(IFC 2×3、IFC 4、IFC 4.3)を確認します。
  2. モデルをチェックする。 上記のチェックリストを、できればIDSファイルで実施します。致命的な指摘はBCFで作成者に送ります。
  3. オブジェクトを分類する。 分類体系を使って、各オブジェクトのファミリを内訳書の項目に紐づけます。
  4. 積算ルールを決める。 単位(m²、m³、m、箇所)、控除、測り方。次のプロジェクトでも使えるよう保存しておきます。
  5. 拾い出して目で確認する。 項目ごとに、数えたオブジェクトを3Dで表示します。色が付いていなければ、数えられていません。
  6. 足りないものを補う。 モデルに含まれない項目(仮設工事、小規模な工事など)を追加するか、手作業で拾います。
  7. 内訳書に書き出す。 数量を積算ソフトや表計算ソフトに移します。
  8. 版が変わるたびに更新する。 版を比較し、何が変わったか、予算にどう影響するかをすぐに把握します。

 

集計表やExcelへの書き出しでは、ステップ5と8に最も時間がかかります。専用ツールが最も効果を発揮するのもこの部分です。

最も時間のかかる工程を自動化。

目視チェック、再利用できる積算ルール、版の比較。Kabandyにお任せください

国別のBIM積算:モデルを適切な基準につなぐ

BIM積算は、対象市場の「言葉」を話して初めて価値を持ちます。国ごとに価格書類と積算ルールがあり、モデルをそれに接続できなければなりません。

日本と主な国の基準

 

Uk - Fr BIM

 

 

どの国でも基本は同じです。モデルの各オブジェクトに、対象となる基準のコード(内訳書の項目、CCTBやVMSWの条項、DPGFの項目、NRM2のコード、DIN 276のコストグループ)を付与すること。そうすれば数量は再入力なしで自動的に正しい書類に整理されます。Kabandyは、国を問わずこれらの分類コードでモデルを拡充します。

 

 

日本や欧州の入札に対応していますか?

Kabandyは、モデルをお使いの基準や内訳書の構成に紐づけます

BIM積算に関する Q&A

 

Revitモデルから積算するには?

方法は2つです。Revitで集計表を作成してExcelに書き出すか、BIM積算ソフトでファイルを開くか。後者なら、すべての数量を3Dで確認でき、モデルの新しい版にも追従できます。

 

IFCファイルから数量を拾えますか?

はい。IFCファイルには各オブジェクトの形状と、書き出し時にオプションを有効にしていれば基本数量(Qto_)が含まれています。IFCビューアーやBIM積算ツールで読み取り、集計できます。

 

BIM積算と5D BIMの違いは?

BIM積算はモデルから数量を算出します。5D BIMはそこに単価を加え、プロジェクトのコストを管理します。

 

BIM積算を公共建築数量積算基準に合わせるには?

モデルの各オブジェクトを内訳書の対応する項目に紐づけ、基準の計測・計算ルール(控除や測り方)を積算ルールとして設定します。モデルにない項目は手作業で補う必要があります。

 

BIM積算にはRevitの専門知識が必要ですか?

専用ツールなら必要ありません。Kabandyは、モデリングソフトの研修を受けていない積算担当者や現場チーム向けに設計されています。

信頼できるBIM積算へ

 

BIM積算は、単なる表の書き出しとして扱わなければ、大きな時間短縮につながります。モデルをチェックし、オブジェクトを分類し、積算ルールを適用し、すべての数量を3Dで確認する。それが、モデルを説明できる予算に変える方法です。